不動産登記には「表題部」と「権利部」の二種類があります。
「表題部」表示に関する登記・・・土地や建物の位置や形状、広さなど物理的な状況についての登記。土地家屋調査士が担当する。
「権利部」権利に関する登記・・・所有権、抵当権、地上権などの権利の発生や移転、変更などを公示するための登記。司法書士が担当する。
さらに、表題部の登記は「土地」と「建物」に分かれます。
土地部分・・・所在、地番、地目、地積など
建物部分・・・所在、家屋番号、種類、構造、床面積など
建物分割登記
建物の分割の登記とは、表題登記がある建物の付属建物を当該表題登記がある建物の登記記録から分割して、登記記録上、別の1個の建物とする登記をいいます。(法54条1項1号)
すなわち、主である建物と附属建物が1個の建物として登記されている場合において、その主である建物と附属建物とを登記上分割して、各個の建物とする登記です。
建物合体登記
建物の合体とは、互いに主従の関係にない2以上の建物が、増築等により構造上1個の建物となることをいいます。2以上の建物を合体して1個の建物となった場合には、合体後の建物について建物の表題部と合体前の建物についての建物の表題部の登記の抹消を申請することになります。
なお、合体後の建物がいずれも表題登記がない建物であるときの登記申請については、法47条の規定を準用して、建物表題登記を申請することになります。
私は、この業界に20年近くいますがこの合体登記には一度もであったことがありません。かなりレアな登記ですね。
建物滅失登記
建物の滅失登記とは、建物が焼失、取壊し等により滅失した場合に、その建物の登記記録の表題部の登記事項を抹消する記号を記録し、その登記記録を閉鎖するためにする登記です。(規則144条1項)
また、登記された建物が不存在または重複登記である場合は、建物の滅失に準じて、建物の表題部の登記事項の抹消の登記をすることになります。
なお、既存の建物全部を取壊し、その材料を用いて建物を建築した場合でも既存の建物が滅失し、新たな建物が建築されたものとして取り扱います。また、建物を解体して移転した場合も、滅失及び新築として取り扱うとされています。
こちらは、建物の死亡届のようなものですね。
建物表題登記
建物の表題登記とは、登記されていない建物について、初めて登記記録に表題部を開設しその物理的状況を明らかにする登記です。(不動産登記法第2条20号)
建物が新築、改築、解体移転または再建築等により建築され登記すべき建物が生じた場合や建物がすでに存在しているのに未だその登記がされていない場合は、建物の表題登記を申請することになります。
言葉が堅苦しくわかりづらい表現ですが、人間に例えるならば建物の出生届のようなものですね。
建物表題部変更登記
建物の表題部の変更登記とは、建物の物理的現況または利用形態が変化して結果、登記されている建物の表題部の登記事項に変更が生じた場合に、これを現況に合致させるために変更する登記です。
要するに建物が登記されたあとに何かしら変更が生じた場合は変更の登記が必要になります。
建物表題部更正登記
建物の表題部の更正登記とは、登記されている建物の表題部の登記事項に当初から錯誤または遺漏があった場合に、これを現況に合致させるためのする登記です。
こちらは初めから間違っていたものを正しく直す登記ですね。
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